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海は意外にデリケート[一般向け]

日本シリーズ、長かったですねえ。

見終わって、風呂入ってきたら、9時くらいからやるはずだった映画を12時過ぎてから放送しています。

お休みになってもいいように映画にしたのかと思ったら、そうでもないんですねえ。

テレビ局の事情というのは、よくわかりません。

地上波で放送されない試合もあった今年の日本シリーズですが、第8戦(やるでしょ、たぶん)を放映しなかったら投書してやる、と思いつつ本題です。


今日は海洋酸性化の話を中心に。とりあえず、日経サイエンス、2010年11月号p.67、「海の生き物を脅かす酸性化 (M.J.ハート、C.サフィナ)」の「key contents」を引用します。

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海のCO2問題

二酸化炭素(CO2)の増加で問題になるのは温暖化だけではない。海洋が大気からCO2を吸収し、酸性化している。

海水が酸性化すると、動物プランクトンや巻き貝、ウニ、ヒトデなどは、体のpHバランスの維持に多大なエネルギーを必要とするようになり、成長や生殖に異常をきたすことが実験から示されている。

海洋の酸性化があまりに急速に起きているので、多くの種は適応できないと予測されている。

生物種が減っていけば、海の食物連鎖が崩壊する恐れがある。さらなる酸性化を抑えるための行動が必要だ。
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温暖化ほどは聞きませんけど、ちょくちょく耳にします。ダイビングして海の生き物を見ると、絶妙なバランスで成り立っているのが感じ取れます。海水が酸性になっていくと生物にダメージが及ぼされるというのは、CO2で地球温暖化という話に比べると、私にはかなり納得がいきます。

もちろん実験・観測データを蓄積して、科学的な説得力を高めていくことが大事でしょう。ネット上ではやはり地球温暖化と同じように、海洋酸性化(もしくはそれによる影響)はでたらめだと主張するものも多くありますが、データを集めることは大事だと思います。私の想像でしかないですが、大気中のCO2濃度よりも、海水のpHを測るほうが楽なように思えます。地球環境を調べるよい指標になるかもしれません。また、地球規模の気候変動の因果関係を実験で突き止めるのは困難でしょうが、海水の成分が生物に及ぼす影響を調べるのは実験室である程度できそうです。

せっかくなので、話は変わりますが、最近思った地球温暖化に関する私の素朴な疑問を。たわごとだと思ってください。

人間が生み出した「熱」は、地球温暖化に寄与しないのでしょうか?電力について言えば、電気を生むときも、送電するときも、使われるときも、余分な熱が出るはずなんですが、それは温暖化に対して無視できるレベルなんでしょうか?「CO2が温室効果ガスだから…」という理由より、熱で温暖化する方が、はるかに直接的な気がするんですが。

CO2排出と熱排出とでは、似て非なるものがあると思います。原子力発電が発電時にCO2を出さなくても、熱は大量に排出するわけだし、風力や太陽光で極端に少ないCO2排出量で電気を作れたとしても、使えば熱が出るし。地球温暖化の話は大体すぐにCO2の話になってしまい、読んでもこの辺のところの情報が見当たりません。実際のところは私にはわかりませんけど、もし熱が無視できるなら一言ぐらい「人間が出す熱はほとんど影響しないんですが…」くらいのことは説明してほしいと思います。

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どっちが正しいの?

ティーパックの小袋を開けたら、何も入っていませんでした。

イギリス製の紅茶ですが、そんなもんなんでしょうか。

こういうのを引き当てるのが私らしいなあと思いつつ、本題です。

今日は日本物理学会誌Vol. 65, No.04, 2010, pp.260-269から。

地球温暖化について物理学会誌の中で論争になったらしく、今回、肯定派の方と懐疑派の方の解説を両方掲載することになったようです。肯定派の阿部修治氏の解説のタイトルは

「地球温暖化の科学-遅れてきた懐疑論の虚妄と罪」

一方で懐疑派の槌田敦氏の解説のタイトルは

「原因は気温高、CO2濃度増は結果」

特に阿部氏の方はタイトルからして強烈ですが、読んでみると両者の対立のすさまじさがヒシヒシと伝わってまいります。で、肝心の内容について私がどう思うかと言うと、結局のところよく分からないです(すみません)。本来数百年かそれ以上の期間で変動しているはずの量のここ数十年からせいぜい百年の変化をうんぬんしようとすることに無理がある気がします。なんか、測定データのノイズが上にいくか下に行くかを予想しているように感じます。

以下、必ずしも内容と関係ないかもしれませんが、思ったことをツラツラと書いてみます。

・専門はナノ電子物性?

槌田氏の名前は割と聞くのですが、阿部氏を知らなかったのでググッてみたら、個人のホームページが見つかりました。
http://staff.aist.go.jp/s.abe/index_j.html
どうやらナノスケールでの物性がご専門のようです。同姓同名の別人かと思いましたが、そうでもないようです。一方、槌田氏の専門は熱物理学とエントロピー経済学(?)だそうです。熱物理学が専門の方が地球温暖化に物申すのは分からなくもないですが、ナノ物性はあまりにもかけ離れている気がします。堂々と物理学会誌に投稿できるわけですから、とても博学な方なのでしょう。

・悪口雑言が酷過ぎる

阿部氏はタイトルで「罪」とまで言ってますからねえ。本文を見ると、まあ、悪口雑言のオンパレードです。「ここに科学的論争はない。あえて言えば科学と虚妄の対立である。」などなど。もう少し淡々と書いた方が、読む方からすると説得力を感じると思うんですが。

・それは一方的では

槌田氏いわく、「現代社会に受け入れられ、国際政治に使われている通説は間違っていたのであるから、これに気づいた科学者には、これを改めるために努力をする社会的責任が生じたことになる」
35年間の気温と大気中CO2濃度のデータを分析には多大な努力を払われたと思いますが、さすがにこのグラフを見せられただけで読者の社会的な責任まで言及するのはあまりに一方的かと思います。

細かいことはキリがないのでこのへんで。

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地球温暖化懐疑論批判に思うこと

今年も実家から「越冬袋掛みかん」が届きました。

一個一個袋に包まれているとても上品なみかんです。我が家ではお坊ちゃまみかんと呼んでおります。

お坊ちゃまだけにとても甘くておすすめです。さて、本題です。

何回か前のエントリーで北極の氷の話を取り上げたあたりから、自分の中で地球温暖化に「あれっ?」と思い始めてまして、いろいろ調べてみると地球温暖化懐疑論なんてものもあるんですねえ。イギリスの公共放送で「地球温暖化詐欺(The Global Warming Swindle)」という衝撃的なタイトルの番組が放映されたそうです(http://www.youtube.com/watch?v=P--pmZpwYEY)。感情論ばっかりの日本のメディアに比べて、科学的ではるかに面白かったですよ。日本でも、別に肯定派でも懐疑派でもいいから、こういうのを放送してくれないかなあと思います。

そうした懐疑派をやっつけようと、「地球温暖化懐疑論批判」なるものが大学や研究所の先生方10人の連名で出されております(http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/pages/236/all.pdf)。これはこれで面白いですねえ。しかし、全部を読んだわけではないんですが、ちょっと気になるところがあったので取り上げてみます。pp.32-34です。以下、懐疑派側の主張と論拠を引用します。

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議論14
二酸化炭素の温室効果による地球温暖化はなく、気温上昇が二酸化炭素濃度上昇の原因である。

証拠1
例えばKeeling et al. (1989)のグラフ(図6)によると、気温の変化は二酸化炭素濃度の変化よりも半年早く現れる。
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リンク先の図6を見て頂たいのですが、気温とCO2の濃度がともに時間変化していますが、両者の動きがよく似ています。つまり、気温が高いとCO2濃度も高い、その逆も言えているということです。これを見ると、CO2が増えると気温が高くなるんだと納得したくなるわけです。

しかし、懐疑派の言うには、因果関係が逆だと言うんです。つまり、先に気温が上がってから、CO2が増えている。その逆もしかりと言うんです。いわれてみると、確かにそう見えます。つまり、CO2の増加は気温上昇の原因とは言えず、むしろ気温上昇がCO2増加の要因になっていると主張しています。

それに対する肯定派の反論が本文に書かれております。「気温上昇→CO2増加」説への反論がこれでもかと書かれていて、私のような門外漢は納得するしかありません。しかし、素人の感想としては、この反論をいくらされても物足りないなあと思うんです。

「CO2に温室効果があるのは分かる。でも、人間の出したCO2でそんなに気温が上がるの?」っていうのが知りたいわけです。それを私のような素人に解説するとき、例えば、図6を見せて、「CO2増加→気温上昇」が実際に起こることを示して、その後、「専門家の計算では〇〇年後に△△度気温が上昇すると予想されます」と言われると、「なるほどー」と納得させられるわけです。

しかし、我々素人としては、図6が「CO2増加→気温上昇」を示すものではないとなると、CO2が地球温暖化の主要因である根拠は「専門家が計算したらそうなったから」でしかなくなってしまうんです。完全にブラックボックスなんです。それが問題だと思うんですよ。だから、いくら「気温上昇→CO2増加」説に反論を加えても、納得がいかないんです。別のデータでいいから、「CO2増加→気温上昇」を示すものが欲しいんです。

専門家でない人に説明するのが難しいことがあるのはよく分かります。でも、こういうところを素人に納得出来るようにいかに説明するかがプロとしての腕の見せどころだと思うのですが…。

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地球温暖化問題の基本に立ち返りたい

夫婦揃って一年目の結婚記念日を忘れておりました。

「今日が何の日か忘れたの?」みたいな妻でなくてよかったと思いつつ、本題です。

今日は雑誌パリティ, Vol. 24 N0.12 2009-12, pp.37-38, 「ニュースダイジェスト」から。以下、引用します。

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薄くなった北極の氷

北極海に浮かぶ海氷の面積は、季節とともに自然に大きくなったり小さくなったりしている。しかし近年、永年氷、つまり夏も融けずに残る氷の面積の減少は加速している。非線形的な傾向は明らかに、気候の温暖化に対する北極の応答を反映しているのだろう。アイスアルベド-海洋フィードバックのせいで、氷の面積が減少すると太陽放射の吸収が増加し、海洋の温度が上がって氷の融解が進み、氷の面積はさらに小さくなっていく。だが、氷の質量と熱容量の変化の定量的な詳細を知るためには、氷の面積を測定するだけでは十分ではない。
 クウォック(Ronald Kwok)とNASAおよびワシントン大学の共同研究者たちは今回、北極海盆全体のもっとも包括的なものと思われる氷の厚さの分布図を発表した。彼らが使用したライダーシステムは、NASAのICESatに搭載されているもので、海水面と氷盤の高さの違いを正確に見分けることができる。この"乾舷"を測定した後、クウォックたちはアルキメデスの原理を使って、氷の水中部分の体積を計算した。海氷は時間の経過とともにマイクロ波をより反射するようになるため、研究者たちは季節によって増減する若い氷と、1年中融けずにいる古い氷とを区別することもできる。ICESatにより5年以上かけて行われた調査によって、北極の氷は0.7 mほど薄くなり、年間通じて融けずに残っている氷は1.5*10^6 km^2---テキサス州の面積の2倍位以上---も減少したことが明らかになった。さらに、年間を通じて融けない氷の体積は57%も小さくなった---記録をとり始めてから初めて、季節性の氷の占める割合の方が大きくなったのである。(R. Kwok et al., J. Geophys. Res. 114, C07005, 2009, doi:10.1029/2009JC005312.)
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今世間の関心を集めている地球温暖化に関する話題です。普段暮らしていてなんとなく気温が上がってきているように感じますけど、実際に北極の氷は大量に溶けているんですねえ。原因はCO2などの温室効果ガスが増えたことのようですから、なんとかしてCO2排出量を削減せねば、となります。政府はエコポイントやらエコカー減税やら、CO2削減に力を入れてますし、科学技術予算も環境関連技術にかなり費やされているように思います

ただ、年間を通じて融けない氷の体積はすでに57%も小さくなっているわけですから、一昔前に言われていた、海面が上昇して海抜の低い地帯が海に沈むといったことは、そんなに気にする必要はなさそうです。考えてみれば、コップの水に浮かんだ氷が溶けても水面の高さは変わりませんものね。そもそも科学者が言い出したことなのかとか、いろいろ疑問がありますけど、まあ東京やニューヨークが海に沈まないことを素直に喜ぶことにしましょう。もっとも、私の考察が甘いだけかもしれませんから、正確に知りたい方は専門家の文献に当たってください。

しかし、もし海面上昇の心配がないのだとすれば、地球が温暖化すると何がいけないのか、まともに答えられる一般の方はどれだけいるのでしょうか?私程度では、大雨や干ばつなどの異常気象を生むとか、急激な気候の変化は農作物の栽培に影響するとか、そのくらいしか答えられませんし、客観的なデータを持ち合わせておりません。今やエコといえば話が通ってしまう感じですけど、あまりにも浸透しすぎて、いったいどこが問題なのか、実はほとんどの人がわかってないってことはないでしょうか?もう一度、マスコミなどが基本に立ち返って説明して頂けることを私自身も期待しております。

追記:
良く調べずに思ったことを書きましたが、地球温暖化によって海面が上昇するのは、北極や南極の氷が溶けるからではなく、陸上の氷河/氷床が融けて海に流れ出すことと、海水が温まって膨張することによるそうです(http://www-cger.nies.go.jp/qa/7/7-1/qa_7-1-j.htmlより)。失礼しました。しかし、一昔前にテレビで北極や南極の氷が融けるからと言っていたように思うのですが。私の憶測ですけど、多くの人が地球温暖化が問題となる理由の一つが海面上昇であることを知らず、その中でも大半の人は海面上昇の理由が北極や南極の氷が融けるからだと思っていて、上記のような理由だ知っているのはほんの一握りなんじゃないでしょうか?ましてや、どのくらいの海面上昇が予測されているのかを知っているのは、専門家か相当博学な方だけなんじゃないでしょうか?そんな状況でエコだエコだとみんなが言っている状況は、ある意味危険なんじゃないかと、自分の知識不足を棚にあげて思います。

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プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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