言われてみると…確かにない

先週末フットサル大会がありました。大会にはもう3,4回出たと思いますが、わたくし未だノーゴールなんです。現在、30代ノーゴール組「ミソジーズ」の誰が最初に点を取るのか、レースになっております。

今回はユニフォームの背中に印字した名前を、本名から「BALLACK」に替えてみました。ドイツ代表のキャプテン、バラック選手にあやかっても、効果はありませんでした。いったい何がいけないのでしょうか?

実力だと認めたがらないところが全てだと思われますが、本題です。

今回は雑誌"Science"の"breakthrough of the year 2009 第2位から第10位まで"から。http://www.sciencemag.jp/breakthrough/2009/detail_01.htmlに掲載されていますが、以下に引用ておきます。

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「単極子に似た擬似粒子、発見される」

ドクター・スースの有名な絵本『ハウ・ザ・グリンチ・ストール・クリスマス(How the Grinch Stole Christmas)』では、気難しがり屋の主人公が「トナカイが見つからないなら、作るよ!」と啖呵を切る。物理学者らもこの姿勢をまねて磁気単極子(magnetic monopole)と呼ばれる粒子を長い間探し続けている。いまだにそのような粒子は発見されてはいないが、ついに今年、2つの研究チームが磁気リップル、つまり、磁性結晶内で単極子のようにふるまう「擬似粒子」を作ることに成功した。

物理学者が知る限りどんな磁石にもN極とS極がある。しかし理論物理学者の間では、いずれかの極だけを持つ基本粒子の存在が予測されてきた。イギリスの理論物理学者であるPaul Diracは1931年、そのような単極子が存在することで電荷の量子化が説明できると論じた。単極子の存在は、電磁気力・弱い核力・強い核力を1つのものの異なった側面であると捉える「大統一理論(grand unified theories)」によっても予測されている。

9月に報告された単極子は、チタン酸ホルミウムやチタン酸ジスプロシウムといったスピンアイスとして知られている物質の中にのみ存在する。それらの物質の中では、氷の中の水素イオンのように、四角錐もしくは四面体の各頂点でホルミウムもしくはジスプロシウムの磁気イオンが回転する。低温では四面体内で2つのイオンはN極が内向き(四面体の中央を向く)、残りの2つのイオンはN極が外向きになっている。1つのイオンが反転すると、3つのイオンN極が内向きのアンバランスな四面体が1つ、また1つのイオンのN極が内向きの四面体が1つできる。スピンの反転が続くと、アンバランスな状態が自由に拡がり単極子のようにふるまう。

このような「スピン構造」は理論物理学者にとっても実験物理学者にとっても等しく研究対象である。今回観測された単極子はスピン構造の奥深さを端的に示している。

CREDIT: P. HUEY/SCIENCE
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いろいろ難しそうなことが書いてありますけど、要は、N極だけしかない磁石はあるのか、という話だと思って良いのだと思います。私は愚かにも、この記事を読んでみて初めて、そういえば確かにないなあと思いました。磁石にはN極とS極があるし、磁石を折るとN極側の折れた端がS極、S極側の折れた端はN極になって、結局N極とS極をもった磁石が2つできてしまいます。その他、地球は北極がS極、南極がN極だし、コイルを巻いて電流を流しても、どちらかがN極になればもう片方がS極になってしまいます。磁気と密接に関係している電気の方は、プラスの電荷とマイナスの電荷が単独で存在しますから、なんとも不思議な話です。この非常に素朴な疑問が、かつての大物理学者Paul Diracやら、大統一理論やらに関係しているんですから、不思議な気すらしてしまいます。

この磁気単極子に似た擬似粒子が発見されたということです。しかし、説明を読んでみても正直言ってよくわかりません。とにかく分かることといえば、この物質はミクロで見ると、正四面体の頂点の位置に磁気イオン(おそらく電荷が自転していて小さな磁石のようにふるまうものだと思われる。)が並んだ構造をしていて、低温では2つの磁気イオンのN極が内向き、残り二つのN極が外向きになって安定しているようです。4つの磁気イオンのうち1つのN極を反転させると、その反転を起点にしてアンバランスな状態が物質中に伝搬していくようです。そして、全体として単極子になるようです(ここが何故なのか、さっぱり分かりません)。磁場の発生源は結局のところN極とS極をもつ双極子(磁気イオン)ですから、「単極子のように振舞う擬似粒子」という言い方をしているのでしょう。

このネタは、「N極しかない磁石を見つければノーベル賞が取れるぞ」とでも言って子供をそそのかすにはいいかもしれません。このテーマを執念深く考え続ける子どもが一人二人いれば、大きくなった頃には磁気単極子がすでに誰かに見つけられていたとしても、すごい科学者に成長しそうな気がします。磁石をひたすら細かく砕いたらN極だけになるんじゃないか、という問に対して突き詰めて考えていくだけで、物理学の最先端に到達しそうな気もします。やはり何か知りたいことがあって勉強する方が身になりますからねえ。

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逮捕といえば…

電車の中で寝ていたら、妻にわざわざ起こされて、「丸い!」と言われました。

突っ込まざるを得ないほど背中がまん丸だったようですが、本題です。

本日は"Physics Today"の"Physics Update"から。
http://blogs.physicstoday.org/update/2009/11/arresting-colloidal-gel-struct.html
英語ですけど、タイトルは"Arresting colloidal gel structures".日本語訳すると「コロイド状ゲル構造を逮捕する」とでもなるんでしょうか。

逮捕と言えば、鳩山首相は大丈夫なんでしょうか?虚偽記載に申告漏れ、そして今度は「偽装原資に母の資金約9億円 首相献金で東京地検解明へ(産経新聞)」ですよ。「今でもないと信じていたい」って、ドラマじゃないんだから。もし仮に、全部完全に合法だったとしても、こんなお坊ちゃまを支持する気にはなれないです。

これが言いたかっただけのためにこのネタを選んでしまったので、このあとどうしよう...弱りましたな。内容をざっと説明します。まず、2,6-ルチジンと呼ばれる液体と水との混合液にシリカゲル粒子を入れて温めます。すると、水とルチジンが分離して、その境目の部分に粒子が捕獲されます。そして、粒子は互いにくっついてしまって、水およびルチジンがそれぞれ粒子にarrest(逮捕?)されてしまうのだそうです。そして、一定以上のスピードで冷やすと、この状態は壊れて、元の混合液の状態になります。しかし、温めた状態のまま24時間以上置いておくと、温度を下げても水とルチジンがarrestされたままになるとのことです。

ネタのリンク先にこうした現象のビデオが掲載されています。movie 1が温度を早く下げた場合、movie 2は温めたまま24時間以上放置の場合です。ここで、シリカゲル粒子が緑、水が黒、ルチジンが赤です。確かに、movie 1ではどんどんシリカゲル粒子の構造が崩れて混合液になりますが、movie 2だとシリカゲル粒子の構造がほとんど変わりません。ただ、もともと赤の領域が黒に変わっていくように見えます。おそらく、水がシリカゲル粒子の壁を少しずつ通過してしまうということなんでしょう。

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プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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