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当たり前のことは当たり前にできない

サッカーのコーナーキックで、特にNHKの実況が

「曲げてきたー」

って叫びますけどね。

曲げてこない方が余程珍しいと思うのですが…

もし、真っすぐのコーナーキックがあったら、ぜひ

「曲げてこなーい」

と、叫んでほしいと思いつつ、本題です。


今日は前回の続きで、「原発がどんなものかしってほしい」について述べたいと思います。非常に長い文ですが、その中から一部だけ、「定期点検工事も素人が」(http://genpatsu_shinsai.at.infoseek.co.jp/hirai/page6.html)を引用します。

******************************
そういう仕事をする人が95%以上まるっきりの素人です。お百姓や漁師の人が自分の仕事が暇な冬場などにやります。言葉は悪いのですが、いわゆる出稼ぎの人です。そういう経験のない人が、怖さを全く知らないで作業をするわけです。

 例えば、ボルトをネジで締める作業をするとき、「対角線に締めなさい、締めないと漏れるよ」と教えますが、作業する現場は放射線管理区域ですから、放射能がいっぱいあって最悪な所です。作業現場に入る時はアラームメーターをつけて入りますが、現場は場所によって放射線の量が違いますから、作業の出来る時間が違います。分刻みです。

 現場に入る前にその日の作業と時間、時間というのは、その日に浴びてよい放射能の量で時間が決まるわけですが、その現場が20分間作業ができる所だとすると、20分経つとアラ-ムメーターが鳴るようにしてある。だから、「アラームメーターが鳴ったら現場から出なさいよ」と指示します。でも現場には時計がありません。時計を持って入ると、時計が放射能で汚染されますから腹時計です。そうやって、現場に行きます。

 そこでは、ボルトをネジで締めながら、もう10分は過ぎたかな、15分は過ぎたかなと、頭はそっちの方にばかり行きます。アラームメーターが鳴るのが怖いですから。アラームメーターというのはビーッととんでもない音がしますので、初めての人はその音が鳴ると、顔から血の気が引くくらい怖いものです。これは経験した者でないと分かりません。ビーッと鳴ると、レントゲンなら何十枚もいっぺんに写したくらいの放射線の量に当たります。ですからネジを対角線に締めなさいと言っても、言われた通りには出来なくて、ただ締めればいいと、どうしてもいい加滅になってしまうのです。すると、どうなりますか。
**********************************

いわゆる「対角締め」の話です。二枚の板を何本かのボルトでつなぐとき、締めるボルトの順番が決まっているんです(http://www.jikuryoku.net/tejyun.htmlのページの下の方を参照)。片側だけが強く締まってしまう、いわゆる「片締め」にならないように、徐々にトルク(分からない方は「=力」だと思ってもここでは差し支えないかと思います)を上げながら、対角にネジを締めていくんです。私は仕事で真空装置を扱ってますので、真空装置を組み上げる際には数日かけてこれをやり続けることもあります。こんな地味な事例を出してくるところが、さすが現場の人だなあと察せられます。

これを読んでの感想は、おそらく2パターンにわかれると思います。

A: 適当に一個ずつ締めていけばいいわけじゃないんだ。そりゃ面倒臭いわ。これを放射線の多い所で時間に追われながらやるなんて、そりゃ厳しいよ。

B: 結局のところネジ閉めれば良いだけでしょ。順番だって簡単に覚えられるし。これが出来ないってのは、相当作業者が低能か、現場監督の教え方が悪いんだろう。

私は断然A派です。そりゃ、「ネジを締める順番を答えよ」ってペーパーテストでもすれば、ほとんどの人が正解すると思いますよ。でも、頭上の作業というだけでもややもするとわけ判らなくなるだろうし、場所によってはレンチが別の場所に引っかかっちゃうこともあるし。狭い場所にやっと入っての作業もあるかもしれないし。これを放射線管理区域で時間に追われながらやるとなると、それは大変だろうなあと思います。作業の重要性に対する認識とか、ちょっとした精神的な余裕とかのためにも、経験は重要だと思います。現場から遠いところにいる偉い方々には是非A派であっていただきたいものです。

さて、本文に対する反論(http://user33.at.infoseek.co.jp/)を以下に引用します。

まずは作業現場の放射線量に関する部分

***********************************
「その現場が20分間作業ができる所だとすると、20分経つとアラ-ムメーターが鳴るようにしてある。」
 これは微妙に違います。

 アラームメーターは時間ではなく、被曝する放射線量を設定します。

 従って、「20分経つと鳴る」のではなく、「規定の線量被曝すると鳴る」というのが正しいです。従って、現場の状況によっては30分居られる場合もあれば、15分で鳴る場合もあります。

 ありますが。

 これほどの被曝をする可能性のある仕事はかなり限定されます。

 私の知る限り、これほど時間制限を要する作業は、所内で使用済核燃料と原子炉本体の次に放射能の強い、「原子炉再循環ポンプ」の分解点検で「ポンプのインペラを手入れする場合」だけです。

 あ、あと場合によっては廃棄物処理系の濃縮廃液タンク廻りの作業も注意が必要かも知れません。(こちらは実際に作業に立ち会った事が無いので実情をよく知りません)

 基本的に、他の作業では普通一日作業してもアラームが鳴ることはありませんし、鳴らないで済むように線量管理・作業管理を行います。

 というわけで、この話も確かにあるにはありますが、かなり特例についての話と言えるでしょう。
***********************************

次に、対角締めに関する部分

***********************************
「ですからネジを対角線に締めなさいと言っても、言われた通りには出来なくて、ただ締めればいいと、どうしてもいい加滅になってしまうのです。」
 さてこれも問題です。
 
 重要な機器のボルト締めはトルク管理がされています。つまり「何キロの力でボルトを締め付けました」という事を管理しているのです。

 これはトルクレンチを使って測定し、間違いなく閉まっている事を電力会社の監理員が立会い確認します。実際今日(2002/01/29現在)、ケーブル端子の締め付けトルクを私ともう一名で確認してきました。

 そして、締め付けが完了したボルトにはアイマークと呼ばれるマーキングをします。ボルトと台座にかけてマジックで線をひいて「規定の力でここまで締め付けました」という印を付けるんです。

 ですから適当にただ締め付けるだけという事は無いはずです。このマークを付けた上で検査時にボルトが廻るようだとやり直しになりますから、作業時には一発で合格できるようキッチリ締めていると思います。

  また、これも考えれば解ると思いますが、締め付けをキチンとやらなくて適当にしてしまって後で水が漏れたらアウトです。

 立会い検査で水が漏れた日には作業員も監督も真っ青になります。場合によっては次回以降の仕事が廻ってくるかも怪しくなります。

 だから、ちゃんと管理基準通りに締め付けて、漏れが無いように検査前に何度もチェックするんです。

 というわけで、ボルトの締め付けをいい加減に行うと言う事は、少なくとも現在の管理の中では無いと思います。
*************************************

放射線量の多いところが極めて限定的なのであれば、例えば「ほとんどの場所では放射線量が少ないので、短期の労働者を雇って作業してもらっています。しかし、ごく一部の放射線量の多い区域では、その重要性と危険性の高さのため、経験△年以上の電力会社の正社員が責任をもって作業にあたっており、短期労働者には立ち入らせません」のような答えを期待したくなるのですが…。ここで引用した以外の部分を読んでも、そうは読み取れませんでした。

それと、トルクレンチを使って後から確認作業をする場合には、そのネジが規定のトルク以上で締められていることは分かると思いますが、全てのネジが均等に締められているかまでは分からないと思うのですが。

それから、「水が漏れたらアウトです」の箇所は今ひとつ納得がいきません。「水が漏れないようにちゃんとチェックしているのか?」の問に、「水が漏れたら大変だから厳重にチェックしているに決まっているでしょう」と答えているようにしか思えません。

他の人のご意見にケチをつけるようなことは本意ではないのですが、これらを書かないことにはこちらの言いたいことが説明できないもので。

「言われなくても放射線量の多い区域はベテランがやっているし、お前が知らないだけであとからでもネジが均等に締められていることくらい解るんだ、バーカ」って話なら、少しホッとするんですけどね。

追記:レイニー様という方から大量の貴重なコメントをいただきました。ぜひコメント欄を御覧ください。

非常に長くなってしまいましたが、
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バラッくまさん今日は

この時間制限の有るネジ締め作業は・・・運転中であるBWRの給水加熱器エリアで行われたものと推定出来ます。この手の作業が行われたと言う実例を私は知っていますから。

トルクレンチは正確に使えば・・・規定トルクで均質に締まります。使い方が悪ければダメなのは他の道具でも同じ話です。
よって作業員の行った作業を・・・監督・指導員・電力社員で正しいか否か再確認します。

なお、平井氏の「素人が」って部分ですが、よく読めば判りますが、安全工学からの視点が全く欠けている事が読み取れます。
即ちマニュアル化と言うのは、原発の事故防止と言う観点から行われている溶接部低減化を・・・曲解しているのです。
なお当事例は建設工事についての話なんですが、反論文は点検作業での記述ですので・・・話が合わないのは当たり前かと思います。

この辺私もこの怪文書の検証を公開していますので、ご興味あればご覧下さい。

http://blog-imgs-29.fc2.com/r/a/i/rainy31/genpatsu_kensho.txt

Re: タイトルなし

レイニー様

> トルクレンチは正確に使えば・・・規定トルクで均質に締まります。使い方が悪ければダメなのは他の道具でも同じ話です。
> よって作業員の行った作業を・・・監督・指導員・電力社員で正しいか否か再確認します。

ぜひ教えていただきたいのですが、
1.作業員が正しく作業を行ったかを、どうやって再確認するのでしょうか?
2.せめて危険度の高い場所くらいは、監督・指導員・電力社員あたりの経験豊富な方が自ら作業に当たれないものなのか?

このネタをブログに書く際には、こちらも他のサイトを調べましたから、「原発は・・・」におかしな部分や誇張された部分が多数指摘されているのは知っています。しかし、上記の質問には答えられているように思えないから、あえてブログのネタにしたといっても過言ではありません。

まさに、エントリーの最後の方に書いたように、
「言われなくても放射線量の多い区域はベテランがやっているし、お前が知らないだけであとからでもネジが均等に締められていることくらい解るんだ、バーカ」
っていう答えを期待しているのですが。

リンクしていただいたページはまだ眺めただけですが、レイニー様は日立製作所で実際に指導員を経験された方のようですので、上記の問に納得のいく答えを期待しております。

バラッくまさん今日は
一度書いたのに消えたので再度書き込みます。

トルクレンチをご存じ無いようですのでwikiなどを参考になさっては如何でしょう。
私が下手な説明するより判ると思います。

さて完全分解時には分解前にマーキング等行い、過剰締め付け防止の目安にします。
今回問題にしているケースは・・・漏洩の原因がボルトの緩みで・・・解決策が増し締め!ですので、そのまま規定トルクまで締める訳です。
但し片締めにならぬように、締める順番及びトルクの段階も決まってます。
当然作業後に指導員等で規定通りに締まっているか?最終確認します。
又この様なフランジ部は規定ギャップ寸法も決まっていますので、ギャップ寸法を測定するのも当然ですが。

単純作業を指導員等で行え!は全く無意味な話で、例えば社長にお茶くみさせるのと同じ事です。
各人員にはそれぞれ職責が有り、それに則った作業分担はどんな仕事でも必須では無いでしょうか。
ましてや放射線被ばく問題がつきまとう原発では無駄な被ばくは戒めないとダメです。

但し超重要機器の分解点検には専門知識の有る指導員や製造メーカー担当者が実施します。
例えばBWRではCRD分解点検などがコレにあたります。

なお劣悪放射線下作業となるような場合には、事務所等の一般区域に現場の模型(モックアップ)を作成し、事前に作業の訓練を行う場合があります。
特に現場が時間的な制約が大きい場合はこの訓練は必須です。
そしてこの様な作業を行うのは・・・メーカーの社員(原子力部門以外の場合が殆ど)で、都市伝説的な浮浪者を掻き集めると言うものでは有りません。

私が当該文章を怪文書であるとして活動するのは、誤った認識を広めることは・・・この文章に書かれている「風評被害・差別」を助長するだけだからです。
柏崎刈羽の地震被害時、有名な「きっこの日記」では主蒸気が漏れているって書いたりして不安を煽った結果・・・とんでもない風評被害が生まれました。
事実はタービンケーシングのシール用ボイラ蒸気がタービン停止により不要になった為にリリースされていただけです。

以上宜しくお願いします。

Re: タイトルなし

レイニー様

貴重な情報ありがとうございます。

> トルクレンチをご存じ無いようですのでwikiなどを参考になさっては如何でしょう。
> 私が下手な説明するより判ると思います。

エントリーにも書いていますが、トルクレンチは何度も使ったことがあります。見慣れたものをwikipediaで調べるのも新鮮でしたが、特に新しい発見はなかったです。

>
> さて完全分解時には分解前にマーキング等行い、過剰締め付け防止の目安にします。
> 今回問題にしているケースは・・・漏洩の原因がボルトの緩みで・・・解決策が増し締め!ですので、そのまま規定トルクまで締める訳です。
> 但し片締めにならぬように、締める順番及びトルクの段階も決まってます。
> 当然作業後に指導員等で規定通りに締まっているか?最終確認します。
> 又この様なフランジ部は規定ギャップ寸法も決まっていますので、ギャップ寸法を測定するのも当然ですが。

wikipediaでは測定用途でのトルクレンチの使用は、「直読式トルクレンチを用いて、増し締め検査を行う場合がほとんどである。」と書かれていますから、確認作業=増し締めということでよろしいですね?これなら納得はいきます。そうでないと、エントリーに書いたように設定以上のトルクで締められていることが分かるだけで、本当に設定トルクで締められているかは分からないはずですから。ただ、これだと確認するたびにトルクが上がっていってしまうように思うのですが…。それと、真空装置を扱う私からすると、ギャップ寸法を測っているから問題ないというのは少し腑に落ちませんが、原発の配管はおそらく事情が違うのでしょう。

> 但し超重要機器の分解点検には専門知識の有る指導員や製造メーカー担当者が実施します。
> 例えばBWRではCRD分解点検などがコレにあたります。

これならホッとします。
しかし、

> 単純作業を指導員等で行え!は全く無意味な話で、例えば社長にお茶くみさせるのと同じ事です。
> 各人員にはそれぞれ職責が有り、それに則った作業分担はどんな仕事でも必須では無いでしょうか。
> ましてや放射線被ばく問題がつきまとう原発では無駄な被ばくは戒めないとダメです。

はよく分かりません。「あなたは社長ですか?」なんていうしょうもないツッコミは置いとくとしても、「無駄な被爆は単純作業しか出来ない下っ端に被らせればいい」と読み取れてしまうのですが。

あらま・・・こんな単純な話がご理解頂けませんか?

営利企業か否かを問わず、職責の軽重により給料も違えば責任も違います。
時給1万円なんて人に・・・例えば延々と一日中どうでもええ様な書類のコピーさせているとしたら・・・その職場の感覚は変であるとお感じになりませんか?。

それと同じであると私は申している訳で、経験豊富な作業員や指導員らを単純作業に消費すべき労働力では無いと私は思います。
何せ原発での作業には「被ばく」と言う問題があり、単純作業従事で被ばく実績を積み上げてしまうと・・・後の重要作業に参加することが不可能になる可能性が有るからです。
普通の会社仕事で36協定違反の長時間労働が有っても、タイムリーに「待った」は掛かりませんが、放射線被ばくに関しては正しくタイムリーに「待った」が掛かります。
この辺私が現場に入ったのは今から20年程前までですが・・・どこの電力でも同じでした。

貴殿の疑問が判らないでも無いですが、逆にお聞きしますよ。
何故・・・人件費には個人差があるのか?
即ち個人の能力等に差があるからに他ならない訳で、それを否定するのは資本主義そのものを否定しているのと同じです。
職能や職責により担当する作業が違うのは・・・当たり前だのクラッカーではないでしょうか。

原発でも同じ話で、単純作業を指導員クラスでやるのは・・・バカげています。

無駄な被ばくと申したのは、幾らでも代替手段で確認できる様な事に対し、直接目視しないとダメって言うのと同じであるからです。
ライン製造業では出来上がった製品に対し一定の抜き取りサンプル調査を行い、それをもって製品の品質管理を行いますよね。
貴殿の疑問は上記に対し・・・全品検査するのが当然・・・というのと大差ないです。

Re: タイトルなし

レイニー様

熱弁を奮っていただきありがとうございます。

資本主義ですか。
しかし、コピー取りは被爆しませんからねえ。
危険な作業をする人の給料が高くなるのは普通ですから、
たとえ法律で決められた被爆量が十分に安全を見ていようと、
たとえ安い給料でも人が集まってこようと、
作業者にはせめてコピー取りよりもずっと高い給料を支払われていることを願っております。

私はこれ以上コメントに返答いたしませんのでご了承を。

せっかくたくさんのコメントを頂いたので、
エントリーの中で短い紹介文を入れさせていただきます。
プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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