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光が凍る?

シチューを作ろうと思ったら、人参を切らしておりました。

スーパーに買いに行って、今日作ったらシチューのルーがなくなっちゃうと思い、買っておいて損はないだろうとシチューのルーも2箱購入しました。

家に帰って、妻曰く
「シチューばっかりじゃなくてカレーにすればよかったのに。」


・・・確かに

さて本題です。


今日は、日本物理学会誌、Vol. 65, No. 2, 2010, pp.89-93から。以下、引用します。

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非古典光の冷却原子集団への保存と再生

秋葉圭一郎、上妻幹旺

光子は最も早く伝搬し堅牢な量子情報のキャリアであるが、光子を止めることが出来ないことから情報処理を行うにあたって光子の量子メモリが必要となる。我々は量子情報処理において多用されているパラメトリック下方変換光を電磁誘起透明化により冷却原子集団に保存し再生することに成功し、またその際の非古典性の保持を確認した。本稿ではこの実験について紹介する。
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量子力学を積極的に情報処理に応用する量子情報処理に関するお話です。伝搬の速さや堅牢性から情報を伝達する媒体として光は適していますが、止まらないだけに情報処理を行うのが難しいということです。そこで、光の情報を原子に保存して処理し、再び光として再生しようとしているようです。

どうやって光の情報を保存するかというと、なかなか難しくてざっくり説明するしかないと思うのですが、原子に共鳴する周波数を持つ光(プローブ光)は原子に吸収されるのですが、もう一本別の周波数で共鳴する光(コントロール光)を照射してあげると、先程まで吸収されていたプローブ光が透過するのだそうです。このとき原子の屈折率が大きく変わって光の速度が極端に遅くなり、さらにコントロール光の強度を下げていき最終的に遮断すると、プローブ光は原子集団の中で停止すると予想されるのだそうです。そして、もう一度コントロール光を逆過程で照射してあげると、止まっていた光を再び再生できるのだそうです。

この時点でかなり難しい話ですが、この文献では非古典光を保存・再生する研究について述べられています。この辺の話になってくると、光子(光の粒)の相関の話とか、単一光子の話とか、どんどん深淵になってくるので、私ごときのブログではこの程度でやめておきます。

この文献には出てきませんが、光が原子集団中に止まってしまった状態を、「光が凍結する」と表現することがあるようです。こういう表現のしかた、なかなかセンスあるなあと思います。こういうのを日本語で考えるのも大変ですけど、科学はどうしても英語が共用語ですから、英語でつけなければならなくて大変です。もっとも、この件に関しては、おそらく名付け親はアメリカ人じゃないかと思うので、言葉の壁はないんでしょうけど、freezeと表現したのは素晴らしいと思います。実は私つい最近、仕事で英語のネーミングについて考えなければならないことがありまして。なかなか生粋の日本人には難しいですよ。そもそも表現がなかなか出てこないし、考えついてもニュアンス的に合っているか、変な意味だったりネガティブな意味に取られないか等々、悩ましいものです。

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テーマ : 自然科学
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バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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