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身近で奥の深い謎

ちょっと時期を逸してしまいましたが、クリスマスソングで「主は来ませり」ってありますよね?
私わりと最近まで、何語かわからないけど外国の言葉だと思っておりました。"Shwaq imas eli"とでも書くのかなあと。まさか日本語だったとは…

と思っていたら、「聖おにいさん」という漫画に出てくるイエスさんも、そう勘違いしているようです。

妻にバカにされていたところ、ひょんなところで仲間に出くわしたことを喜びつつ、本題です。

今日は雑誌パリティ、Vol. 24 N0.12 2009-12, pp.13-pp.22, 「謎に満ちた雪の結晶」から。

この記事はカリフォルニア工科大学のケネス・リブレヒト先生が書いたものを北海道大学の古川義純先生が和訳したものなのですが、ここはおかしいとか、ここで取り上げられるべき成果が無視されているとかが、訳注および翻訳者によるコラムとして欄外に9つ指摘されております。よくあることとはいえ、この分量の記事で9つというのはさすがに珍しいと思いますし、門外漢の私の目で見ても、些細な指摘事項ではないように思えます。

その中から、コラム「雪結晶の晶癖変化のしくみに関する日本の研究」について触れたいと思います。第一段落の一部を引用すると
「1980年代以降、雪結晶の形態変化に関する理解は急速に進みつつあり、とくに日本人研究者の寄与が大きい。本解説では、このような進展についてふれられていない。」とあります。「何故に日本の研究を無視するんだ?」という翻訳者の思いがひしひしと感じられます。やはり、1930年代に最初に雪の結晶の研究を始め、世界初の人工雪を生成した故・中谷宇吉郎先生からの伝統もあって、こと雪の結晶の研究に関しては日本のレベルは高いのでしょう。

雪の結晶は多種多様な形を持っていて、大きく分けて平べったい角板状のものと細長い角柱状のものに分けられるのだそうです。これが温度が0度から低下するにつれて、角板状→角柱状→角板状→角柱状と変化していくのだそうです。どの雪の結晶もおおもとは半径と高さがほぼ同じの六角柱から成長をスタートさせるようで、温度条件を変えるとどうしてこう形を変えていくのかがかつて謎だったそうです。その謎の鍵は表面の状態で、低温では結晶の表面がなめらかで成長速度が遅いのですが、ある温度よりも高くなると表面が荒れて成長速度が早くなり、さらにある温度よりも高くなると表面に薄い液体層が生じて中間的な成長速度になるとのことです。これらの転移温度が元の六角柱の底面と側面で異なるため、温度条件によって側面の方が底面より早く成長したり、その逆が生じたりするのだそうです。
例えば、底面の転移温度を-10度および-4度、側面の転移温度を-20度および-10度とすると、

           -20度   -10度   -4度   0度
底面の成長速度  小     小    大    中
側面の成長速度  小     大    中    中
形          (柱)    板    柱    (板)

となるのだそうです(カッコ内は本文中には直接には記載されておりません)。実験では転移温度は高温側にシフトしていますが、定性的にはよく一致しているとのことです。

雪の結晶が現在でも謎に包まれているというのには驚かされます。国際宇宙ステーション「きぼう」では、「氷の結晶成長におけるパターン形成」なる実験も行われたようです。

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テーマ : 自然科学
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バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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