スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

フェルミオンからボゾンへ

産業技術総合研究所で開発された人型ロボット「HRP-4C」をご存知でしょうか(リンク先参照)?美少女ロボットということですが、皆さんどう思われるでしょうか?

私はなかなか可愛いと思います。上司も美人だと言っておりました。でも、やっぱりもう少し大人びた方がいいかなあ。

今後の成長に期待しつつ、本題です。

本日のネタは、パリティ Vol. 24, No.05, 2009-05, p.4から。掲載から少し時間が経ってますけど、せっかく読んだので。以下、タイトルとちょっとした要旨だけ引用です。

****************************************************
フェルミオンがボゾンに変わるとき

カルロス サ・デ・メロ (川口由紀訳)

相互作用や対の形成を操作できるという、他に類を見ない超低温フェルミ原子の制御性は、謎に満ちた強相関現象に対する洞察を与え、金属や原子核、中性子星で起こる超流動の物理を解き明かす。
*****************************************************

タイトルからすでに意味不明の方は多いでしょうねえ。「フェルミオン」と「ボゾン」の意味が分からなかったら、何も想像が付きませんものね。本文についてかいつまんで言えば、極低温に冷やしたヘリウム等で実現する超流動現象が、レーザーなどで冷却された気体の原子で実現できる。しかも、相互作用を外部から制御できるから、理論上考えられても実験できなかった系を実現することができる、といったところでしょう。

この話は、原子の波の位相が揃って可干渉(コヒーレント)になる、いわゆるボーズ・アインシュタイン凝縮(BEC)についての話です。私はBECを生成したり扱ったりしたことはないですが、縁遠い分野ではないので学会などではBECの講演を聞くことがよくあります。確かに、この種の研究は現在BEC研究の主流と言ってよいようです。冷却原子で分子を作ったり、超流動の渦をつくって何が面白いのかがぼんやりとしか分からなかったのですが、この記事をよんで少しは分かった気がします。

今回は本文が長い上にかなりハイレベルなので、正直言って全てをちゃんと理解できてないです。そのため、内容についてはざっくりとしか触れません。まず、「フェルミオン」と「ボゾン」から(詳しいことはリンク先を参照ください)。フェルミオンはスピンが半整数(1/2,3/2,5/2,...)の粒子のことで、ボゾンはスピンが整数(0,1,2,3,...)の粒子です。とにかく両者は性質が異なります。簡単に言えば、ボゾンは複数の粒子が同じ状態を占有することができるけれども、フェルミオンにはそれが許されないのです。ここで、フェルミオンの原子2つから分子ができると、スピンが整数になってボゾンになります。原子の速度を遅くするレーザー冷却や、磁場をうまく使って原子間の斥力・引力相互作用を制御するフェッシュバック共鳴を用いることにより、フェルミオン2つを合体させてボゾンの分子を作り、かつBECを生成して超流動を作り出す実験が可能なのです。しかも、フェッシュバック共鳴の磁場を変えることにより、原子間の相互作用を制御することができます。超伝導体や液体ヘリウムを用いた場合にはこれほど制御性をあげることができないようです。ここで、フェルミオン同士が弱く引き合っているときと強く引き合っているときとでは同じ超流動でも描像が違うようです。したがって、相互作用を制御できる冷却原子はそうした描像の違いや両者の中間状態を研究する上で重要な対象となっているとのことです。

気体原子でBECが初めて生成されたのが1995年。その6年後の2001年にはノーベル物理学賞の対象になりました。ノーベル賞は、その後の物理学の発展に大きく貢献しているか、世の中で役に立っているかなどを見極めたうえで、対象の研究成果が出たときから数十年後に授賞されることが普通です。授賞まで6年という短さは、おそらく「この成果が今後の発展に貢献するに決まっている」という見込みや期待があったからだと推察できます。で、実際に現在の状況はどうか?関係者に怒られるかもしれないけど、率直に言って、「研究が凄く進展しているのは認めるけど、当初の期待はこういうことだったんだろうか?」と私には思えます。そりゃ、BECの研究にのめりこんでいる人からすると、この研究はものすごく急速に進展していて、かつとても面白い研究なんだろうけど、私のような一歩引いた立場から見ると、基礎物理の探求ばかりで、いまひとつ応用が見えてこないのです。レーザーが発明されて約50年たった今、レーザーのおかげで確かに通信速度は桁外れに上がり、CDやDVDもでき、測定精度は飛躍的に向上し、精密な機械加工ができるようになりました。同じように可干渉性をもつBECは、「原子版レーザー」として当初脚光を浴びたはず。BECが初めて生成されてからはや15年弱、もうそろそろ応用が見えるような研究成果が出てきて欲しいと思います。応用方面では、BECとナノテクとの融合を目指した研究などが行われています。基礎物理はもちろん大切ですけど、そういう研究がもっともっと発展して欲しいと願っております。

気に入っていただけたら1クリックを
人気ブログランキングへ

スポンサーサイト

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

アクセスランキングに参加しませんか?

はじめまして、
人気ブログランキングのブログん家の管理者です。
よろしければ、アクセスランキングに参加しませんか?
http://www.blog-server.net/
よろしくお願いします。
プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
気に入っていただけたら1クリックを
人気ブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。