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一万円札に納得

最近更新をサボっておりました。

特に理由があるわけではありませんが、書こうと思ったら予定が入った、日本シリーズを見ていたetcといったところです。

なかなか続けるというのは難しいものですが、腰は重いがやり始めると止まらないという私の性格をたよりに細々と続けてみようかと思います。


さて、本題です。

今日は久々なのに申し訳ないですが、物理とは関係のない話を。
「現代語訳 学問のすすめ」(福澤諭吉 著、齋藤孝 訳)より。

今の今まで読んだことがありませんでした。
有名な「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」で始まるだけに、綺麗事が並べられているんだろうと思っておりました。しかし、中身はむしろその逆で、明治初期の日本を発展させ独立を維持するためにどうすべきかということが、かなり率直に論じられている印象を受けました。

その中に、学者について書かれている箇所があって、なかなか興味深かったです。「世の中の学者はたいてい腰抜けだけども、どんな難解な文章でも困る者はないので、文章を難しくしました。」などと、わりと挑発的な書き方も含まれています。以下、引用します。

*****************
第5編 国をリードする人材とは

学問をやる者の使命

いま我が国において、「中産階級」にいて、文明を率先して唱えて国の独立を維持すべき者としては、唯一学者たちがあるだけだが、この学者というものが、時勢についてちゃんとした眼を持っていないためか、あるいは、国を憂えるのが自分の身を心配するほど切実でないためか、あるいは世間の気風に染まって、ひたすら政府に頼って事を成そうと考えているのか、みなおおむね、その地位にいることに満足せず、官になり、瑣末な事務に奔走して、むだに心身を疲れさせている。とてもバカバカしいことに思えるが、自分たちはそれで満足しているし、まわりもまたそれを不審に思わない。
・・・
そもそも、勇気というものは、ただ読書して得られるものではない。読書は学問の技術であって、学問は物事をなすための技術にすぎない。実地で事に当たる経験を持たなければ、勇気は決して生まれない。
 わが慶應義塾で、すでに技術としての学問をマスターしたものは、貧乏や苦労に耐えて、そこで得たものを実際の文明の事業で実行しなければならない。実行すべき分野は数えきれない。商売にはつとめなくてはならない。法律は論じなければならない。工業は興さなければならない。農業は勧めなければならない。著述、翻訳、新聞の発行、およそ、文明の事業は、ことごとく我が手に収めて、国民の先を行き、政府と助け合い、官の力と民間の力のバランスを取り、一国全体の力を増す。この力の薄弱な独立を、不動の基礎を持った独立へと移し変え、外国と争っても少しも譲ることはない。
・・・
********************

ここでいう「学者」というのが当時と今とは違うようにも思えますが、今でも科学者になろうとしたら、国立大学や独法の研究所が第一候補に挙がるだろうし、実際瑣末な事務仕事も多いですから、今と当てはめてもそんなに違和感はないでしょう。引用したのはごく一部ですが、第4編と第5編を読むと、最近よく出てくるイノベーションやら何やらの意義が分かるような気がします。現在のお偉方が論じるより、明治初期に書かれた文章を読んだ方がすんなり理解できる気がするから不思議です。

一貫して言えるのは、著者が学者に少なからず期待しているということです。「どうせ役に立たないんだからやめてしまえ」と言っているわけではないんです。だから、一応学者だと思っている私が読んでいても悪い気がしないし、それでいて結構グサッとくるような思い当たる節もあるのです。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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