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基本が一番難しい

いやー、このブログを更新するのも1年ぶりですか。

しかし、書かなくなるとネタの記事を読まなくなりますね。やっぱりちょくちょく書いた方が自分のためなんですかね。

ということで、久々に本題です。

今日は、最新トピックスと言いながらも古いネタを。
自然放出という、物理系の学科であれば大学で必ずと言っていいほど教わるものがあるのですが、これがどうして起こるのかを掘り下げた論文の出だしです。論文らしくなく、ファインマンという、超有名な物理学者が若かれし頃の父親との会話で始まります。

以下、私なりに日本語に訳しつつ、適当に抜粋しながら引用します。翻訳に間違いがありそうですが、細かいことはあまり気にしないことにします。

*************
Why spontaneous emission? (なぜ、自然放出?)
著:P. W. Milonni

・・・私(ファインマン)はMIT, プリンストンを出て、家に帰ってくると、父が言った。
「お前は科学の教育を受けてきた。私はいつも、知りたいと思っていたことがあるんだ。息子よ、それを私に説明して欲しいのだが。」
「どうぞ」
「わたしは、励起状態からエネルギーの低い状態に移った時に原子から光が放たれると、科学者たちが言っているのは分かっている。」
「その通りです。」
「そして、光は粒子の一種で、科学者たちは光子と呼んでいると思う。」
「そうです。」
「じゃあ、もし原子が励起状態からより低い状態に移った時に原子から光子がでるなら、光子はもともと励起状態の原子の中になければならない。」
「いや、違います。」
「じゃあ、もともと励起状態にない光子が出てくるというのは、どう考えればいいんだい?」
私は数分考えて、言った。
「ごめん、わかりません。説明できません。」
彼は、何年も私に教育を施してきたのに、こんな結果になってしまって、とてもがっかりした。
****************

この親にしてこの子ありということなのでしょうか(もちろん良い意味で)。

自然放出というのは、原子などが独りでに内部のエネルギーを失いながら光を放つことを言います。もう一つ、誘導放出といって、原子などが外部から光を受けることによって光を放つこともあります。一見、自然放出の方が当たり前で、誘導放出の方が不思議なように思えるのですが、よくよく考えると逆なのです。(確か、私が学生の時に、だから誘導放出の概念を導入したアインシュタインは偉大だと、講義で聞いたような・・・。うろ覚えなので定かではないですが。)エネルギーが低い方に向かうのは自然の道理とはいえ、理由もないのにエネルギーを失うのはおかしな話なのです。

この論文によれば、自然放出とは結局、真空の場(ゼロ点エネルギー)による誘導放出と、自らの放射した光との相互作用によって生じる光の両方なのだそうです。これ以上書こうとすると、どんどん説明が難しくなってしまうので、この辺で手を抜かせていただきます(すみません)。ちなみに、自然放出があって自然吸収がない理由も述べられていて、この辺の物理に興味のある人なら、読んでみても面白いかもしれません。理論の論文によくあるような、プロ以外の人には見る気も失せるような数式で説明されているわけでもありません。

若い頃とは言え、ファインマンですら分からなかったんですから、私なんぞに分からないのは当然でしょう。ただ、難しい数式などを並べて説明せずに、言葉でうまく説明する術を探したところが、ファインマンたる所以なのかもしれません。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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