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80年かけてたどりつく

ドラム式洗濯機を買ったのに、横幅が大きすぎて設置できませんでした。

寸法測ったはずなのに、ぎりぎりダメでした。まあ、私らしいですな。

搬入予定の夜7時まで洗濯せずに待っていたのに、悲しかったなあ。

それにしても、あの日立の洗濯機は少なくともこのアパートでは全戸で使えないわけだから、売り上げで損をしているんじゃないですかね。ほかのマンションでも入らないトラブルが多いそうですし。買いたくても買えませんからねえ。独自技術を置いといても、真っ先に改善すべき点じゃないですかね。

と、余計なお世話を焼かせていただいて、本題です。


今日は雑誌Scienceのbreakthrough of the year 2010から。
http://www.sciencemag.jp/breakthrough/2010/index.html以下、最初の部分だけ引用します。

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The First Quantum Machine –初の量子機械

量子力学でなければ説明できない仕組みで動く振動子、これが現実の概念を検証するのか

フォード社のモデルTのように手頃ではないかもしれないが、今年発表されたごく小さなマシーンは、理論的には、有名なこの自動車をはじめあらゆるマシーンを吹き飛ばしてしまう。これまですべての機械は、普通の物体の運動を支配する古典力学の法則に従って動いてきた。それに対して新しい機械は、量子力学という分子、原子、素粒子を支配する不可思議な法則でのみ説明できるモードで軽く振動する。この初の量子機械は、無数の実験装置や我々の現実感を検証する世界への扉を開いた。その可能性と創意工夫により、今年のBreakthrough of the Yearとする。

量子力学のおかげで、極小領域が日常的な世界とは異なることが分かった。量子論によると、離散量でのみエネルギーを吸収できる極微小の物体は、完全に静止することができず、全く同時に2箇所に存在することができる。科学者は、このような量子効果やさらに不思議な効果を無数の原子、分子、素粒子、光、電流、液体ヘリウムなどを使った実験で見てきた。しかし、人工的な物体の運動でそのような効果を見た者はいない。
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リンク先に記事が和訳されて載っていますが、正直言って分かりづらいです。私の理解力よりも、訳の問題だと思います。あまり深く踏み込まないようにしましょう。

量子力学は原子分子などの微小なものの自然現象を説明してきましたが、確かに、量子力学でしか動作を説明できないような「機械」を人工的に作った例はなかったのでしょう。量子力学がほぼ確立したのは1930年くらいのようですから、約80年かけてようやくここまで来たわけですか。そう考えると、そのインパクトはすごいでしょうね。

機械といっても板が振動するだけのようですけど、重ね合わせの状態があったり、最低のエネルギーがゼロでなかったり、通常ではありえないようなことが起こるということで、それは確かにブレークスルーなんですよ。普通の感覚ではロボットの方がはるかにすごい機械で、この量子機械を見ても何がすごいのやらさっぱり分からないと思いますけど。

研究者でも基礎的な研究成果の価値を判断するのは難しいと思います。いろんな研究者に聞いたら、いろんな答えが返ってくるでしょう。しかも、発見当時はあまり評価を受けていなくても、後になって価値が上がってくることは多々ありますからねえ。数十年後には、2010年に発見されたほかの研究成果の方が重要になっていることだって当然あり得ます。研究を評価するだけのための専門家がいてもいいくらいです。Science誌の編集や記事を書いている人は、それに近いんでしょうか。まあ、彼らの判断を鵜呑みにするのは危険でしょうが、こうして記事を読んで、「へえー、今年こんなのがあったんだ。」と知るだけでも我々の足しになります。(ちなみに、物理の研究者なら記事を見る前から当然知っているだろう、とお思いの方。決してそんなことはございません。たいていの場合、ちょっと分野が違えば知らないものです。人にもよりますが。)

私はこの成果がすごいのはわかるけど、この先どう進展するのかを説明できません。分野がぴったり合った専門家じゃないと答えられないんじゃないですかね。しかも、専門家でも今後を完全に予想するのは不可能といっていいでしょう。ただ、漠然と思うのは、やっぱり人工的に作れたというのが大きいんじゃないでしょうか。もちろん、科学から社会への応用を考えれば重要な第一歩でしょうし、理学から工学に展開して、その技術の進歩がまた理学を発展させるというのはよくあることですから。人工的に作れれば、実験条件をある程度思うように変えることができて、理解が進むでしょう。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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