スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

固体のことを気体でやってみる[学部・院生向け]

横浜ベイスターズの売却話が破談になりました。

売却先の会社は新潟に本拠地を移すことも考えていたそうで、私としてはとりあえず当面は横浜に残りそうなのでほっとしております。

しかし、売る気満々のオーナーのもとで1年やるのも選手はどう思うんだろう?

来シーズンを考えると、ファンの私としては「野球は何が起こるか分からない」という言葉にすがるしかないのかと思いつつ、本題です。


今日は、パリティ、Vol. 25 No.09, pp.14-23から。以下タイトルと要旨のみ引用します。

***************************
極低温原子で見るアンダーソン局在

アラン・アスペ、マッシモ・イングッシオ (高本将男 訳)

局在した物質波を観測するために、2つの実験グループが、ボーズ-アインシュタイン凝縮体を、不規則ではあるがレーザー光で自在に制御できる光ポテンシャルの中に閉じ込めた。
****************************

ある物質の内部がわずかに乱れると、電気を通す伝導体から通さない絶縁体へと突然変化することが約50年前に理論的に予測されたとのことです。ちょっと難しいですが、結晶は周期的なポテンシャル井戸と捉えることができて、そこでは電子の波動関数は広がっているけれども、ポテンシャルの深さが不規則にある程度以上乱れると、波動関数がある場所に局在するのが理由なのだそうです。自由に伝わっていた波が、突如どこか一箇所で止まってしまった、とでも言えばいいのでしょうか。

本来固体中で起こる現象なのですが、固体中の電子の場合だと、お互いに反発するとか、ポテンシャルが振動するなどの理由で、アンダーソン局在を直接観測するのは難しいのだそうです。そこで、気体の原子を使おう、しかも、多数の原子が同じ波動関数をもつボーズ-アインシュタイン凝縮体(以下、ボーズ凝縮体といいます)を使おうというのです。実際、光で作った不規則な乱れをもつポテンシャルによって、原子が局在することが観測されております。ここまででも十分難しいので、これ以上の内容には触れないことにします。

もともとは固体中でのお話だったはずですが、固体中と同様の状況を人工的に作ってあげて気体原子で実験するわけですから、不思議なものです。最近のはやりなんでしょうかね。

ボーズ凝縮の研究がどうしてこういうふうに展開してきたのかにも少し興味があります。たしか90年代の半ばくらいに気体のボーズ凝縮が実現して、そのあとはこぞってレーザーなど光科学の進展をなぞるように、光で実現していることを原子(原子波)で実現するのがトレンドだったと思います。このての研究をしている人たちは往々にしてレーザーのエキスパートなので、この展開はよく分かるんですけどね。このあと固体の現象を気体で実現する方向へ向かうのが、自然発生的なのか、一人のすごい人が切り開いたのが元になっているのか、異分野間の交流が盛んだったのか、どうなんでしょうか。技術的なこともそうですが、なにをやったら面白そうかを考えるのも大変そうです。

気に入っていただけたら1クリックを
にほんブログ村 科学ブログへ

スポンサーサイト

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
気に入っていただけたら1クリックを
人気ブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。