想像を絶する精度

英語の研修でホワイトボードにbeer(ビール)と書くつもりが無意識のうちにbearと書いていました。

もうクマが染み付いちゃっていますなあ。

くだらないと言われようと、本当なんだから仕方がないんです。

さて、本題です。


今日は、日経サイエンス2010年7月号pp.24-25から。以下に最初の第1パラグラフのみ引用します。

また、文科省の「最先端研究基盤事業」のページにある
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/06/__icsFiles/afieldfile/2010/06/22/1295019_4_1.pdf
のp.13にも簡潔にまとめられた図などが載っています。

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重力波天文台の開発大詰め

時空の"さざ波"を超高感度で検出する装置の開発が神岡の地下で進んでいる

 奥飛騨山中、地下1000mの神岡鉱山(岐阜県飛騨市)で、宇宙から来る時空の"さざ波"、重力波を捉える装置の開発が大詰めを迎えている。重力波が生み出す空間の伸び縮み(変化率)を超高感度で検出する「重力波天文台」の一種で名前は「CLIO(クリオ)」。目標感度は10^-19。例えば長さ1mの棒に10^-19mの伸び縮みをもたらす重力波を検出できる。「調整を進めてきた結果、10^-18を切る感度まで到達、目標が見えてきた」と建設に携わる東京大学宇宙線研究所の大橋正健・准教授は話す。
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重力波というのは、「時空のひずみがさざ波のように空間を伝わる現象。存在は確実であるが、未だ直接検出されていない」のだそうです。これはしかし、とてつもない精度ですな。10^-19の感度というと計算上、直径約10000kmの地球の大きさが10億分の1mm変化するのが分かるレベルということになります。ナノテクでおなじみのナノメートルが100万分の1mmで原子のサイズがその約10分の1。さらにその100分の1ですからなあ。あまりにとんでもなさ過ぎて、計算が合っているのか不安になってきます。皆様ご自身でご確認下さい。

測定の原理は意外とシンプルなようです。レーザーを2枚の鏡で往復させる系を2つ作っておいて、両者を干渉させる(重ねあわせる)のだそうです。鏡の間の距離が微妙に変わると干渉パターンが変化します。したがって、干渉パターンの変化から、重力波によって生じた鏡の間の距離の変化を高感度に検出できるとのことです。

しかし、CLIOでは鏡の間の距離は100mで、次世代の「LCGT」は3kmに及ぶのだそうです。これを地下深くに作るのだそうです。しかも、空気などの乱れの影響を受けないように極限的な真空を作る必要があるだろうし、鏡が振動したらダメなどころか、鏡の表面の原子が熱の影響を受けてヒョロヒョロと動き出すだけでも影響するかもしれないし…。私の想像するチェックポイントを何とかするだけでできるとは到底思えませんし、絶句してしまいますな。

お金も掛かりそうですけど、前述のように最先端研究基盤事業に選ばれたようです。「所要額」ということで確定なのかわかりませんが、3年間で98億円だそうです。やるからにはぜひ一発当ててノーベル賞を取ることを願っております。

p.s. 旅に出るため来週末まで更新をお休みします。

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テーマ : 自然科学
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プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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