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内容が分からなくてもすごい論文

近くのマッサージ屋のカルテには、私の体は「岩のようだ」と記されているそうです。

確かに、外フワフワで中パリパリですが、本題です。

今日はパリティVol.24, No. 10 2009-10, p. 54の「ニュースダイジェスト」から。以下、引用です。

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トップクォークを一度に一個、生成する事象

1995年に米国フェルミ国立研究所での2TeVの陽子-反陽子衝突で発見されて以来、極めて質量の大きなトップクォーク(t)はたいてい、強い相互作用によってトップと反トップクォークの対として生成されてきた。強い相互作用はトップクォークが1つだけ単独で生成されることを許さない。一方、素粒子理論の標準モデルはまた、弱い相互作用によってトップクォークが単独で生成されることを予測している。しかし、トップクォークが1つだけで生成される事象を、見た目がそっくりのより平凡な過程からなる圧倒的なバックグラウンド事象のなかから見つけ出すのは、対での生成の場合よりもずっと難しい。対で生成した場合なら、トップが崩壊したことを告げる信号を見出す機会が2回あるからである。
 では、なぜわざわざそんな難しい実験をしようとするのだろうか?それは、単独でのトップクォーク生成の断面積からは、tbWバーテックスの結合の大きさを直接知ることができ、tやb以上の第4世代のクォークが存在しないといった、標準モデルのさまざまな面についてのとくに敏感な検証となるからである。単一トップ生成事象をさがすために開発され検証されたパターン認識の手法は、ヒッグスボゾンの探索でも非常に重要になる。
 フェルミ国立研究所のD0およびCDF検出器の共同研究グループは今回、単一トップ生成のはっきりした観測結果を得たのだが、その断面積は約3ピコバーン(3×10^-36 cm^2)で、標準モデルの予測と矛盾していなかった。これは2個のきわめて重いクォークが生成されるための運動学的な要求によりごく低く抑えられてしまっている対生成の断面積の、およそ半分である。だが、このように断面積がそれほど大きく違わないということはまた、エネルギーが大きくなるにつれて弱い相互作用と強い相互作用の大きさが近づいていき、統一される傾向を反映している。(V. M. Abazov et al.,http://arxiv.org/abs/0903.0850; T. Aaltonen et al., http://arxiv.org/abs/0903.0885; both in press at Phys. Rev. Lett.)
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素粒子の分野というと、21世紀に入ってから日本人のノーベル賞が4人(小柴氏、南部氏、小林氏、益川氏)出ていますし、日本が強い分野の一つでしょう。しかし、応用物理学科卒で電子工学の研究室で物理っぽいことをやっていた私にしてみれば、実はほとんど接点がないんです。物理学科出て、純粋な物理の研究室で研究した人じゃないと、なかなか触れる機会がないでしょう。こんな状態でこのブログをやっていること事態に無理がある気がしますが...とりあえず知っているところだけで言うと、物質を作っているのが原子で、その原子をもっと細かく見てみると、陽子と中性子と電子で成り立っていて、さらに陽子と中性子はクォークで出来ているということです。トップクォークというのは、クォークの中でも桁外れに質量が大きいようで、1995年に発見されたときはかなり騒がれたみたいです(当時の記事参照)。まあ、このくらいです。この記事に関しては、書いてある通りに理解することしかできません。

これで終わるのも難なので、とりあえず私の素朴な疑問を書いてみます。誰か答えてくれる方がいると良いですが...

1.「対で生成すると信号を見出す機会が2回になる」というけど、私には、「1回が2回になっても、たかだか2倍だろ」としか思えないのですが。そんなにこの差が重要なのでしょうか?

2.「弱い相互作用」「強い相互作用」といいますが、なんでこんな、何も知らずに読んだら専門用語と思えないような用語にしたのでしょうか?

ついでなので、もうちょっと話を膨らませましょう。この手の素粒子の実験では、ちょっとした町一つ分くらいのドデカイ装置を使うことが特徴です。ヨーロッパのCERNなんて、国をまたいでます。この記事の元ネタの論文が公開されていますので、英語ですけど、ちょっとだけ覗いてみましょう(http://arxiv.org/PS_cache/arxiv/pdf/0903/0903.0850v2.pdf)。題名"Observation of single top-quark production"はいいとして、その次の行の"V.M. Abazov"から2ページ目中程の"E.G. Zverev"まで全部著者です。いったい何人いるのでしょうか?数える気もしません。普通著者は5,6人ってところですから、いかにも大規模な実験だと分かります。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

バラッくま

Author:バラッくま
色々あったのち東京深川在住の科学技術系の研究者。
クマに似ている。最近はカピバラにも似ている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、(有休を取ってまでして)落語、スキューバダイビング、スポーツ観戦(相撲など。両国が近いのでうれしい。)、音楽鑑賞などを少しずつ。

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