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バラッくま

Author:バラッくま
つくば在住の科学技術系の研究者。
妻には「クマに似てる」といわれ、最近は自分でもその気になっており、テレビなどでクマが出てくると反応するのが日課となっている。
専門: 量子エレクトロニクスなど。
休みのときは、フットサル、スキューバダイビング、スポーツ観戦、音楽鑑賞、ウィニングイレブンなどを少しずつ。
写真は我が家のクマたち。

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どうもありがとうございました(ブログ終了のお知らせ)

このブログが始まって2年半、書いたエントリーは129個ですか。結構たまったものです。読んでいただいた皆様のおかげです。

しかし、正直言ってそろそろ更新するのもしんどくなって来ました。

なにしろ、ネタが小難しいですから。まず元の記事を読み、それを短い文章でかつ分かるように要約して、さらに自分の感想を付けていくという作業は、気分が乗ってこないと趣味でやるにはなかなかしんどいものがあります。元記事を読んでみたら面白くなかった、面白いけど難しすぎてどうブログに書いていいか分からない、強引に書くと無理矢理感か漂う、などなど、私にはなかなか難しいものがあります。書いていて、だんだん楽しくなくなって、続けることが目的のような感じになってきてしまったというのが、率直なところです。

止めるのももったいない気もしますが、筆を置くことにしました。これまで読んで下さった方々には、駄文に付き合っていただきありがとうございました。読者の方々はどういう感想を持っているか分かりませんが、とりあえず自分的には勉強になることもあったと思います。サイエンス・ライターも楽じゃないことが分かった、とか。

次やるとすれば、自分にとって書きやすくて楽しめるようなものが良いかと思いますが、なかなか仕事のことを書く気もしませんし、私の日常を書いてもさほど面白く無いし、難しいところです。何かアイデアが浮かんだら、また他のブログを始めるかもしれません。

これまで、1万1千カウントを超えるアクセスを頂きました。ご愛顧ありがとうございました。

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すそ野が大事

フットサルの試合のこと。相手ボールのコーナーキックで私がマークしていたのはどうやら審判だったらしく、一点取られてしまいました。

こんな私ですが許してください。

さて、本題です。


ウィキペディアの充実ぶりを調べると、その分野のすそ野の広さが概ね分かるんじゃないかと思っております。もちろん、誰が書いているのかわからないし、責任の所在も分かりませんから、ウィキペディアに載っていることを論拠にするということはあり得ないのですが(そういえば、某大学でポスドクをしていたときに、「実験レポートの参考文献にウィキペディアを載せる学生がいる」と嘆いていた人がいたのを思い出します)、タダな上にインターネットが使えればすぐにアクセスできてとにかく便利ですから、私もよく見ます。書き込める人が多くいて、それを読んで喜ぶ人がたくさんいるような環境だと、中身が充実するんじゃないかと思うわけです。実際、日本語版のマンガに関する記事は非常に充実していて、例えばキャプテン翼のキャラクター紹介の細かさには驚かされます。

私は日本語ネイティブですから、当然日本語版にアクセスするわけですが、物理周辺の分野に関して言えば英語版の充実ぶりがすごいなあと、最近思っております。例えば、最近よく話題になる「ニュートリノ」という用語に関して日本語版英語版を比較すると、日本語版もかなりの力作ですが、英語版には驚かされます。冒頭の部分以外は全体を眺めた程度なので内容については何もコメントできませんけど(問題は多々あるのかもしれませんけど)、これだけ章立てしてこれだけの分量になっているのを見るだけでも充実ぶりが伝わってきます。もちろん英語の場合だとネイティブ以外の人でも書き込む人が多いでしょうから、他の言語に比べて充実しやすい環境なのでしょうけど、やはりアメリカ、イギリスの科学技術におけるすそ野の広さ(代表クラスの人だけじゃなく全体的に強いということ)が現れているんじゃないかと思うのです。

すそ野の広さに関係していると思いますが、研究開発現場における機器は海外製品、特にアメリカ企業の製品が多いです。研究機器はもちろん技術的には最先端であることが多いですがマーケットが小さいので、ソニーやパナソニックやアップルといった巨大企業が作っているものはそれほどありません。私が使っている機材で例を数社挙げるなら、アメリカならアジレントニューポートナショナルインスツルメンツ、日本なら浜松ホトニクスシグマ光機R&Kといったところです。たいていの人にはピンとこないでしょうが、これでもかなり大きい方で、もっとずっと小さい会社もたくさんあるんです。日本の会社は概ね質の良い製品を作りますが、必要なものを全て取り揃えようとすると海外製品に頼らざるを得ないというのが実情だと思います。アップルでもマイクロソフトでもインテルでもない企業にも優秀な技術者が行き渡っているのだろうと思うと、アメリカの科学技術のすそ野の広さを感じてしまうのです。

最近の日本の電機メーカーの不振を背景に、「なぜ日本の電機メーカーはiphoneを作れなかったのか」という趣旨の記事をよく目にしますが、大企業ばかりを見ていると見落とす部分もあるんじゃないかと思います。(もっとも私は経営戦略に関してど素人なので、深いことを突っ込まれると答えようが無いですが、思ったことを書いてみました。)

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大チョンボと呼ばないで

排水管のヌメリ取りの説明に、ヌメリ取りを排水口に入れたあとにコップ1杯分のぬるま湯を入れろと書いてあったので、温水の蛇口をひねってお湯が出るのを待っていたら、全部流れてしまいました。

相変わらずの抜けっぷりが私らしいと思いつつ、本題です。


今日は、ニュースから。http://www.cnn.co.jp/fringe/30005722.html
以下引用します。

***********************
超光速ニュートリノ、装置に欠陥判明 実験結果に疑問浮上

(CNN) スイスにある欧州合同原子核研究機関(CERN)の国際共同研究グループOPERAが昨年、素粒子ニュートリノが光より速く飛んだとする実験結果を公表し、科学界に衝撃を与えた問題で、CERNは25日までに時間計測に使った光ファイバーケーブルに緩みがあったなどの欠陥が見付かったと発表した。

実験結果が間違っていた可能性を示す装置の不具合の確認となっている。CERNは、この緩みが実験結果にどう影響を与えたのかを検証する実験を今年5月に実施する。

緩みが見付かったのは、ニュートリノの速さを厳密に計測するために必要な全地球測位システム(GPS)とコンピューターを接続する光ファイバーケーブルの部分。ケーブルは外部のGPSのシグナル作動とOPERAの基本時計を同時に動かすためのものだが、CERNは緩みの影響で時間計測が正確に出来ず、ニュートリノの速さを過大評価した可能性があるとしている。
・・・・
***************************

世紀の大発見は世紀の大チョンボだったのか?と思えてしまいますが、まあこんなもんです、特に精密測定というのは。あくまで私の経験上ですが、どんなにアイデアあふれるエレガントな手法を用いようと、最終的にはこういう地味なところが効いてくるんです。大きな装置を動かすのはチェック項目が大量にあるし、そもそもチェック項目をくまなく挙げることが大変なことです。

たいていのニュースや論文を読むと、いいアイデアを思いついてやってみたら良い結果が出た、というストーリーになっていますが、実際には裏で地味な仕事を積み重ねています。そういうのは部外者が読んでも何も面白くないので、あえて苦労を表に出さないようにするものです。実際、大学院入りたて位のころは、大半の時間をつぎ込んで苦労してきた話を研究発表で長々と説明したくなるものですが、退屈になるのでやめなさいと指導された記憶があります。この光ファイバーの緩みの話はニュートリノも相対性理論も関係ない低レベルの話ということになるのでしょうが、生々しい現場感があって個人的には好感が持てます。

細かい状況はよくわからないのですが、実験がうまくいかない理由を挙げ出したらキリがないのが普通なので、装置を入念に確認してみてこの位しか不具合が見つからなかったというのは、私は上出来だと思います。この実験で厄介なのは、単純にニュートリノの速度を測る実験だということです。「これが出来たら大発見」的なものなら、出来てしまえば後で多少の装置の不具合が見つかっても、「出来たんだから、この不具合はほとんど効かないってことでしょ」ということで丸く収まります。(しかし、うまくいかないと何もかもが疑わしくなる、という大変さはありますが。)その一方で、この実験に関しては、「出来たんだから正しい」とは全く言えないのです。やはり、複数の独立した実験設備で検証する必要があるのでしょう。

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日本は少し広くなったのか

昨日の朝、なぜか水が出なくなりました。

どの蛇口をひねっても出てこない。これは困った。トイレもか、と思って流してみたら流れたのでちょっとホッとしたところ、

「なに貴重な水流してるの!」と妻に怒られました。

・・・そうだ、トイレの水はタンクに溜まっているんだった・・・


この抜けっぷりが私らしいと思いつつ、本題です。

今日は、国土地理院の資料から。
大震災でどのくらい地殻が動いたのかがわかります。
水平方向 http://www.gsi.go.jp/common/000059672.pdf
上下方向 http://www.gsi.go.jp/common/000059674.pdf

これって、普通に知られているんでしたっけ?私は場所が動いたことはニュースか何かでなんとなく知っていますが、まじまじと図を見たことはなかったです。特に上下方向は見たことなかったような・・。もし、よく知られたことだったらすみません。

最も動いた所で、東に5m30cm, 下に1m20cmも動いたんですねえ。もっとも、数百年かけて少しずつ動いてきたものが元に戻ったというのが正しいのかもしれません。

これだけ多くの地点で精密に位置の変化を観測できたのはGPSのおかげなのだと思うので、これだけはっきりとしたデータが取れたのは、GPS普及後である今回が初めてなのではないかと思います。地震や防災を研究する上でも、重要なデータなのでしょう。GPSは偉大ですね。それと、平常時から場所がどのくらい動いているのかを地道に観測してきた方々に感謝しましょう。

ちなみに、カーナビや携帯などでGPSを使うと、さもそれら電子機器が凄いかのように感じてしまいますが(もちろん電子機器も凄いのですけど)、超精密な原子時計を載せた人工衛星を使って測位システムとしてGPSを運用しているのはアメリカ海軍です。決して電子機器の小さな箱の中で全ての機能が完結しているわけではありません。GPSを運用すべく、何台もの原子時計をシステムとして扱って、世界トップの精密さで時刻を刻むお仕事をする部署がアメリカ海軍天文台という所にあることは意外と知られていないんじゃないでしょうか。GPSを使うときは、アメリカの凄さも少し感じておきましょう。

みんなご存知かもしれないお話を元に、あまり知られていないであろう話になんとか展開して見ましたが、
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重力を突き詰める

気づいたらこのブログ、1万アクセスを超えておりました。

皆様のご愛顧のおかげです。ありがとうございます。

私の気がたるんでいるので最近更新頻度が減っておりますが、こんな地味なブログにアクセスしていただける方々のためにも、もう少し頻度をあげようと思うので、今後もご愛顧お願いします。

今日は、パリティ, Vol. 27 No. 01, pp.45-47の「エントロピーから重力が現れる?」に書いてあることを参考にしてつらつらと。

重力は古典論では一般相対論として完成しているけれども、それを量子力学的に理解できていないとのことで、ここを解決するのが理論物理学の一大テーマなのだそうです。そして、重力の理論として一般相対性理論に出てくるアインシュタイン方程式は状態方程式のようなものであり、それ自身を量子力学的に考えてはいけないのではないか、という提案が最近なされたそうです。

あくまで私の解釈なのですが、これはどういうことかというと、例えば気体の状態方程式PV=nRTでいえば、圧力(P)と体積(V)と原子・分子数(n)と温度(T)との関係が、気体定数Rを用いた一本の式で与えられます。これはきれいに現象を表すけれども、これだけでは気体の原子分子が容器の壁にぶつかって圧力がかかるとか、温度が高いということが原子分子の運動エネルギーの平均が大きいことを表しているとか、そういう、「微視的には実際何が起きているの?」っていう部分が見えてきません。そういう式を一生懸命眺めて量子力学を考えたって何もでてこないでしょう。アインシュタイン方程式はそういうものなんじゃないか、ということだと思います。

じゃあどう考えるのかというと、エントロピーというものを考えるのだそうです。「ある物体が取れる状態が全て同等に実現するとすれば、同じ状態に対応する場合が多いほどその状態が実現しやすい」から、その実現しやすい状態になろうとするときに重力がはたらく、ということだと思います。この辺に来ると、私にはついていけないので、この話はこのくらいにしておきます(すみません)。

いかにも物理学らしい、本質を探るような研究ですなあ。翻って私は、最近では1 cm位のサイズのミラーをピクリとも動かないように固定するにはネジ止めと接着剤のどちらが良いか、なんてことを考えたりやってみたりしていて、かなりのギャップを感じてしまいます。まあ、これはこれで実は結構面白いんですけどね。そんな私がたまに、議論が済んだはずの理論を蒸し返して、割と本質的な所を指摘するような論文を投稿すると、掲載拒否されるわけです。重力理論なんかに比べたら大した話ではないですけど。まあ、ネジにしろ本質的なことにしろ、それなりに楽しんでいるわけだから、いい仕事に就いているのでしょう。

なんだか分からない話になってしまいましたが
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